アノード型リニアイオンソース(Anode Linear Ion Source: ALIS)の効果:
- 汚染物質を除去し、表面エネルギーを向上
- ヘイズ(曇り)や欠陥を低減
- 密着性を改善
- 膜成長を促進
- 濡れ性を向上(接触角を低減)
得られる最適なプロセス性能:
- 高速なエッチングと均一性
- プロセスの安定性
- 長期稼働(キャンペーンタイム)
- メンテナンスの容易
🔷 ALISイオンソースとは
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次世代グリッドレス型リニアイオンソースとして、ALISは従来のイオン源とは一線を画す性能と安定性を提供します。ナノスケールの加工・分析において、高分解能・低ダメージ・長寿命を実現する革新的なソリューションです。意図的にデフォルトのイオン吐出角度(基板に対する入射角)を45度に設定することで、従来型の2倍から3倍のエッチングレートを実現します。最終的な納品時の角度は、ユーザーのチャンバー仕様に応じ設計します。
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| 45度の入射角で最大のエッチレートを実現 | アプリケーションによってArにO2を混合 |
⚙️ 原理:閉じたドリフト型 × グリッドレス構造
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ALISは、高電圧アノードと接地カソード間に形成されるExB場によって電子を閉じ込め、壁面との衝突でプラズマを生成。そこからイオンを抽出・加速します。
- グリッドレス構造:加速・集束用のグリッドが存在せず、アークや粒子発生を抑制
- ガウス型エネルギー分布:イオンのエネルギーが滑らかに広がり、表面処理が均一
- 中性化補助:理論上不要だが、より精密性を求められるプロセスでは、ホローカソード等の電子源と併用し、帯電防止とビーム安定化を実現し、アーキングを低減
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| KRI製ホロカソード | ホロカソード等電子源 |
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特性 |
ALISイオンソース |
従来型(グリッド型、Bernas型など) |
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構造 |
グリッドレス、閉じたドリフト型 |
グリッド付き、直線加速型 |
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エネルギー分布 |
ガウス型(広がりあり) |
シャープで単一ピーク |
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ビーム安定性 |
長時間安定、アーク少 |
グリッド劣化で変動しやすい |
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粒子生成 |
極めて少ない |
グリッド摩耗やアークで粒子発生しやすい |
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メンテナンス性 |
長寿命、交換頻度低 |
グリッド交換が定期的に必要 |
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加工精度 |
高分解能、低ダメージ |
材料や条件により制限あり |
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ガス対応性 |
Ar, O₂など多様 |
限定的(特定ガスに最適化) |
🧪 実績と応用例
- 反応性クリーニング(O₂):接触角・テープテストで高評価、帯電抑制により均一処理
- 高エネルギーエッチング(Ar):難加工材料にも対応、角度依存性を活かした最適化が可能
- ナノスケール観察・加工:サブナノメートルの分解能で、FIBやSEMとの組み合わせにも最適
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| 処理無し | 100%Arでの処理, 2kV, 560W/m |
50%Ar-50%O2, 2kV, 560W/m |
100%O2での処理, 2kV, 560W/m |
註:接触角が、O2の混合度合いに応じ低下していることが見て取れます。
💡 ALISが選ばれる理由
「粒子が出にくい」「帯電しにくい」「長く使える」
それがALISの本質です。
従来の常識を覆すイオンソースとして、ALISは高精度・高信頼性・高効率を同時に実現。研究開発から量産ラインまで、最先端の加工・分析ニーズに応える唯一の選択肢です。
ご関心頂けましたら、何なりとお問合せいただけましたら幸いです。













