米国・SCI製 RF電源用 デュアルロータリーカソード 

製品概要:

米国・SCI社と米国・Advanced Energy社が共同開発した、大面積・RF電源用デュアルロータリーカソードシステムは、2MHzおよび13MHzの周波数帯に対応し、導電性ターゲットだけでなく、セラミック等の絶縁性ターゲットの両方に対して高いスパッタレートと分布を実現。低エネルギーでの成膜が可能なため、温度制限のある基板やセラミック等の高抵抗材料の放電にも最適です。

用途:

  • 新規材料や高絶縁性材料のスパッタリングに対応
    • 酸化インジウムスズ(ITO)
    • 酸化アルミニウム(Al2O3)
    • 石英(SiO2)
    • リチウム系材料

特徴:

  • 太陽電池、ガラス、バッテリー製造向けにRFを交えたユニークなプロセスを実現
  • ロータリーカソード特有の高いターゲット利用効率
  • ロータリーカソード特有の高い成膜速度
  • ロータリーカソード特有の優れた膜均一性

 

実績:

プロセス条件:周波数:2MHz|出力:5kW|圧力:12mTorr|ガス流量:Ar 1000 SCCM / O₂ 100 SCCM|距離:8cm|運転時間:10分

積層膜での分布 単層膜での分布 ターゲットエロージョン

1600㎜の基板幅で、分布 ±4%以下
均一な膜厚分布を実現。大面積ターゲットにも対応

 

(a)RF 80W, (b) RF100W, (c) RF120W, (d)DC 80W, (e) DC100W, (f) DC120W

  • 低電圧での、低エネルギー成膜 (RF単独成膜)
    ソフトスパッタリングに最適。PV(太陽電池)、OLED、特殊ガラス、ポリマー基板など幅広い用途に対応。
  • RF + DC ハイブリッドカソード(重畳成膜)
    絶縁性ターゲットにも対応可能なRF用ロータリーカソードと、DC用ロータリーカソードを重畳させ、最適なスパッタレートと低抵抗な膜を実現。ITO等の透明導電膜の成膜に最適。
RFの比率とプロセス電圧 膜抵抗値と環境温度とRF比率の関係

 

  • アーク管理とインピーダンス最適化
    高エネルギーアークによるターゲット損傷リスクを最小化。
    低エネルギープロセスにより成膜中の応力ならびに膜中のクレージング(微細な亀裂やひび割れ)を抑制。
    各マグネトロンのインピーダンスバランスを検証し、安定したスパッタリングを提供。

 

パッケージ構成(SCI/AE共同提案):

  • Paramount 15kW RF電源
  • Ascent AP DC電源
  • 2MHzマッチングネットワーク(フィルター内蔵)

 

パートナー体制と導入支援 :

  • RFマグネトロン設備の供給
  • RF電源とマッチングネットワークの提供
  • 技術者によるトレーニング
  • 大面積スケールアップに向けた支援とフィードバック

 

開発フェーズと成果物 :

フェーズ 内容 成果物
Phase 1 650mmターゲットでの初期ハードウェア開発 試験データとコーティングサンプル
Phase 1.5 最適化設計による改良版 試験データとサンプル
Phase 2 1500mmターゲットでのプロセス開発 電源・マッチング改良、ターゲット利用率向上
Phase 3 材料・膜開発と大面積スケールアップ ラボ分析付きサンプル、大面積ガラス用リッド製造
Phase 4 エンドユーザー評価 実機へのRFセットアップ

註: 2025年10月現在で、Phase 4ステージです。

 

📞 お問い合わせ :

本件、RFデュアルロータリーカソード導入に関するご相談・技術的なご質問が生じましたら、弊社SCJまで、お気軽にお問い合わせください。