Delcom 30C9 非接触抵抗値モニター|測定原理・用途・測定スペック・Inline & Benchtop Hybrid
Delcom 30C9 は、導電性薄膜のシート抵抗を非接触・高精度・高速で測定する最新世代の抵抗値モニターです。
Inline(インライン)と Benchtop(卓上)の両方に対応し、研究用途から量産ラインまで幅広く利用できます。
本ページでは、30C9 の測定原理・用途・測定スペック・レンジ構造・ギャップ特性・操作方法を技術的に解説します。
30C9とは|Delcom最新の非接触抵抗値モニター
30C9 は、従来の873・S3・20J3シリーズを発展させた最新アーキテクチャを採用したモデルです。
非接触で導電膜のシート抵抗を測定でき、接触式プローブのようにサンプルを傷つけることがありません。
- Inline & Benchtop Hybrid:1台で研究〜量産ラインまで対応
- 高安定性:温度補償によりドリフトの90%以上を補正
- 複数センサー対応:最大3センサー接続(IM100/IM110)
- 新型UI:LCD表示・設定保持・ゼロ調整が容易
- Modbus / USB:PLC・PCとの連携が容易
測定原理|エディカレント(渦電流)方式
30C9 は、交流電流を流したインダクタが磁界を発生し、導電膜に渦電流を誘起する エディカレント方式でシート抵抗を測定します。
「交流電流を印加したインダクタが磁界を発生し、導電性材料に渦電流を誘起する。その応答からシート抵抗などの値を算出する。」
- 非接触:フィルム・ウェーハを傷つけない
- 高速応答:R2Rラインに最適
- 高再現性:接触抵抗の影響ゼロ
30C9の用途|ITO膜・金属薄膜・ウェーハ・フィルムに最適
- ITO膜(透明導電膜)のシート抵抗測定
- 金属薄膜(Al, Cu, Ni, Crなど)の膜厚・抵抗ムラ評価
- 半導体ウェーハの導電性評価
- 太陽電池セルの電極形成プロセス管理
- フレキシブル基板(FPC)の導電膜検査
- ロール to ロールフィルムのインライン測定
30C9 測定スペック
● 測定方式
- エディカレント(渦電流)方式
- 非接触で導電膜のシート抵抗を測定
● 測定レンジ(Range)
Delcom のレンジは「そのレンジの中心値を最も高精度(4桁以上)で測れる」ように設計されています。
- x1レンジ:1 Ω/□ を最も高精度に測定
- x10レンジ:10 Ω/□ を最も高精度に測定
- x100レンジ:100 Ω/□ を最も高精度に測定
- x1000レンジ:1 kΩ/□ を最も高精度に測定
- x10000レンジ:10 kΩ/□ を最も高精度に測定
● レンジ精度のイメージ(図解)
精度(有効数字)
↑
│ /\
│ / \
│ / \
│ 低抵抗 高抵抗
└────────────────→ 測定値
レンジ中心が最も高精度
レンジの中心値に近いほど精度が高く、上限・下限に近づくほど精度が落ちる特性があります。
● 測定単位(Units)
- シート抵抗(Ω/□)
- シートコンダクタンス(mhos/□, siemens/□)
- 抵抗率(Ω・cm)
- 厚み(µm)
- 放射率(Emissivity)
● 温度特性・ドリフト
- 温度変化によりインダクタ特性が変動 → ベースラインがドリフト
- 30C9 は温度補償により90%以上を補正
- ウォームアップ:3時間推奨
● センサーギャップ
- 約7 mm(20J3と同じ数値)
- ただし 30C9 は磁場設計が新しく、位置依存性が小さい
● インターフェース
- USB(PCソフトウェア)
- LAN(Modbus/TCP)
- I/Oピン(外部制御)
- 最大3センサー接続可能(IM100/IM110)
レンジの選び方(用途別)
- ITO膜:x10〜x100
- 金属薄膜:x1〜x10
- ウェーハ:x100〜x1000
- 厚膜・ガラス:x1000〜x10000
ギャップと位置依存性
Delcom のセンサーは上下に2つの磁極を持ち、その間(ギャップ)に材料を通して測定します。
ギャップ内の磁場は完全に均一ではないため、材料の高さによって読み値が変動します。
- 最も安定する位置:ギャップ中央
- 上下にずれると読み値が変動
- 30C9 は磁場設計が改善され、変動が小さい
20J3 と 30C9 の違い(比較)
| 項目 | 20J3 | 30C9 |
|---|---|---|
| 世代 | 旧世代 | 最新世代 |
| ギャップ | 約7mm(旧磁場設計) | 約7mm(新磁場設計で位置依存性が小さい) |
| 温度補償 | 90%補償 | さらに改善 |
| UI | IM100の5桁LCD | 新型LCD・本体で設定変更可能 |
| 小片測定 | 20J3 Cartridgeあり | なし |
| 用途 | 薄膜・フィルム・ウェーハ | 薄膜〜厚物まで広範囲 |
SCJの技術サポート
- 30C9 の日本語技術サポート
- ITO膜・金属膜のサンプル測定用デモ機レンタル
- インライン導入支援(R2Rライン)
- Delcom本社との技術調整代行
よくある質問(FAQ)
Q1. 30C9 と 20J3 の一番大きな違いは何ですか?
どちらも渦電流方式でシート抵抗を非接触測定しますが、30C9 は新世代アーキテクチャで、 温度補償・磁場設計・UI が大きく改善されています。
ギャップはどちらも約7mmですが、30C9 は位置依存性が小さく、高安定な測定が可能です。
Q2. 自社材料がどのレンジに入るか分かりません。
シート抵抗の目安値、膜厚、材質(ITO・金属・ウェーハなど)を共有いただければ、
x1〜x10000 の中から適切なレンジ構成を提案します。サンプル測定による事前確認も可能です。
Q3. フィルムが揺れるインラインラインでも使えますか?
はい。30C9 はインライン用途を前提に設計されており、平均化機能や設置位置の最適化により、
フィルムのフラッタや微小な高さ変動の影響を抑えることができます。
Q4. どのくらいウォームアップが必要ですか?
マニュアルでは3時間程度のウォームアップが推奨されています。
高い再現性が必要な評価・校正作業では、常時通電または十分なウォームアップ後の使用を推奨します。
Q5. ZERO(ゼロ調整)はどのタイミングで行うべきですか?
センサー内にサンプルがない状態で、かつ表示値が「∞(無限大)」になっていない場合は、
ZERO ボタンを押してベースラインを再設定してください。温度変化があった後や長時間運転後も、
測定前に一度 ZERO を実行する運用が安定します。
Q6. 厚いガラス基板にも対応できますか?
30C9 は約7mmギャップと新しい磁場設計により、ガラス基板などの比較的厚い材料にも対応可能です。
ただし、実際の適合性は材質・厚み・シート抵抗に依存するため、サンプル測定での確認を推奨します。
Q7. 既存のラインに後付けで導入できますか?
多くの場合、既存の R2R ラインや搬送ラインに後付けでの設置が可能です。
ローラー近傍への設置、ブラケット設計、配線ルートなど、具体的なライン条件をお伺いした上で、
SCJ にて最適な導入方法をご提案します。
Q8. 校正はどのように行いますか?
NISTトレーサブルな標準板をセンサーギャップ中央に挿入し、
マニュアルに従って校正手順を実行します。ステージを使用する場合は、
実際の測定高さに合わせた校正も可能です。
お問い合わせ
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校正・レンジ選定、価格・納期などについてはお気軽にお問い合わせください。

