Delcom Multisensor Inline Meter|非接触シート抵抗測定

 

 

Delcom Multisensor Inline Meter は、導電性薄膜のシート抵抗を 非接触・高速・高安定で測定するインライン専用モデルです。
複数センサーを直列配置でき、ロール to ロール(R2R)ラインや真空チャンバー内での リアルタイム膜厚・抵抗ムラ監視に最適です。
本ページでは、SCJ の技術知見に基づき、測定原理・レンジ構造・ギャップ特性・温度補償・校正・インライン設置を体系的に解説します。


非接触シート抵抗測定の仕組み|エディカレント方式

Multisensor Inline Meter は、交流磁界を利用したエディカレント(渦電流)方式で導電膜のシート抵抗を測定します。
磁界が導電層に渦電流を誘起し、その応答から導電性を算出するため、材料に触れることなく測定できます。

  • 非接触でフィルム・ウェーハを傷つけない
  • 高速応答でインライン制御に最適
  • 光学式では測れない金属膜にも対応
  • 接触式プローブのようなダメージなし

Delcom レンジ構造|x1〜x10000 の精度設計

Delcom のレンジは「中心値を最も高精度に測定する」ように設計されています。 各レンジは特定のシート抵抗値を最高精度で測定できるよう最適化されています。

  • x1:1 Ω/□ を最高精度で測定
  • x10:10 Ω/□
  • x100:100 Ω/□
  • x1000:1 kΩ/□
  • x10000:10 kΩ/□

レンジ精度のイメージ(図解)

精度(有効数字)
↑
│           /\
│         /    \
│       /        \
│   低抵抗       高抵抗
└────────────────→ 測定値
     レンジ中心が最も高精度

測定対象のシート抵抗がレンジ中心に近いほど、再現性・安定性が高くなります。


ギャップ特性|導電層は“ギャップ中央”が最も安定

Multisensor Inline Meter は上下2つのセンサーで構成され、 その間のギャップ中央が最も磁場が安定する領域です。

そのため、インライン測定では次が重要になります:

  • 材料の高さをギャップ中央に合わせる
  • 材料の揺れ(フラッタ)を抑える
  • ステージやローラーで高さを一定に保つ

高さが変わると読み値が変動するため、インラインでは高さ制御が最重要パラメータになります。


温度ドリフトと補償|90%以上を自動補正

エディカレント方式は温度変化の影響を受けやすいため、 Multisensor Inline Meter は内部温度センサーにより90%以上のドリフトを自動補正します。

安定測定のための推奨運用:

  • ウォームアップ:3時間以上
  • センサーを熱源から隔離
  • 室温と機器温度を一致させる

ZERO(ゼロ調整)|測定前の必須ステップ

ZERO は「基準点の再設定」です。 温度変化や経時変化で基準がズレるため、測定前に必ず ZERO を押します。

  • センサー内に材料がない状態で ZERO
  • 基準がズレたまま測定すると誤差が累積
  • インラインでは定期的な ZERO が安定性を高める

インライン設置|R2Rライン・真空チャンバーでの最適化

Multisensor Inline Meter はインライン用途を前提に設計されており、 R2Rラインや真空チャンバー内での連続測定に最適です。

インライン設置の最重要ポイント

  • 導電層の高さをギャップ中央に固定
  • センサーの上下位置を正確に合わせる
  • 材料の揺れを抑制(ガイドローラー推奨)
  • ステージ使用で高さ再現性を確保

校正(Calibration)|1点校正で運用可能

Multisensor Inline Meter は、標準板を用いた1点校正で運用できます。 インライン用途では、定期的な校正により長期安定性が向上します。

  1. センサー内を空にして ZERO
  2. 標準板を挿入
  3. ソフトウェアで校正値を設定
  4. Use Calibration を有効化

用途|薄膜・ウェーハ・真空成膜ラインに最適

  • ITO膜(透明導電膜)
  • 金属薄膜(Al, Cu, Ni, Cr)
  • 半導体ウェーハ
  • 太陽電池セル
  • FPC・フィルム材料
  • 真空チャンバー内のインライン監視

SCJの技術サポート

  • インライン導入支援(R2R・真空チャンバー)
  • デモ機レンタルサービス
  • Delcom本社との技術調整
  • 校正・レンジ選定の技術相談

お問い合わせ

Multisensor Inline Meter の導入検討、サンプル測定、 インライン適用可否、校正・レンジ選定などお気軽にご相談ください。